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建築家 内田祥三氏、お誕生日

2019.02.23

本日2月23日は、旧公衆衛生院を設計した建築家であり、港区の西麻布に在住していた港区ゆかりの人物の一人、内田祥三〈明治18(1885)年‐昭和47(1972)年〉の誕生日です。

明治18(1885)年の深川に生まれ、明治37(1904)年に東京帝国大学工科大学の建築学科へ入学。
大正10(1921)年に同大学の教授となった後も沢山の名建築を手がけ、
昭和18(1943)年には大学総長となります。
プロフェッサ・アーキテクト(教育者であり、建築家)の呼び名にふさわしい活躍とその軌跡は、今も私たちの目に見える形で多く残っています。

なかでも、この郷土歴史館も入る複合施設「ゆかしの杜」は、氏の設計により昭和13(1938)年に竣工した「旧公衆衛生院」を活用した建物です。
昭和の意匠を残しながら、現代的な改修が施され平成に新たなスタートを切った、全国でも数少ない大規模な歴史的建造物のリノベーション作品となっています。

当時の姿をできる限り残しているエリアがいくつもあり、
建物を観るために足を運んでくださる方も多くいらっしゃいます。

内田氏の学校建築に見られるこうした様式は「内田ゴシック」とも呼ばれます。
外から見る姿は、すらりとした高さと、力強い重厚感が同居し、荘厳な佇まいですね。
連なったアーチの下から池を臨む景色もとっても素敵なのですが...それは来てからのお楽しみです。

正面玄関.jpg棟屋部.jpg

一方、中から見るこの建物は、また違った空気、かたち、暖かさを纏っています。
外光と内部の照明とが織りなす、ほっとする空間や、
細部の意匠の面白さも見どころの一つですよ。

4Fホール.jpg照明.jpg

皆さまも、この建築家 内田祥三の軌跡の一つを、ゆっくり眺め、味わい、
お気に入りの景色を探してみるのはいかがでしょうか。
建物見学は無料なので、ぜひご自由にお立ち寄りください。

土曜日は、いつもより少しのんびりできる20時までの開館です。
今日は(お祝いの気持ちもそっと心に...)じっくり歩いてみてくださいね。