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「日本・オーストリア国交のはじまり」幕末・明治期の外交官たち

2019.12.01

ただいま開催中の特別展では、館蔵の"京極能登守きょうごくのとのかみ旧蔵写真"と"井関盛艮いぜきもりとめ旧蔵写真"から、肖像写真のコレクションも多く展示されています。
今回は、幕末・明治期の外交官たちの姿が多く見られる展示から少しご紹介いたします。

展示風景.JPG
※展示室内での写真撮影はできませんので、あらかじめご了承ください。

京極能登守(高朗)は、文久元(1861)年12月に派遣された、幕府初の遣欧使節団の一員だった人物。
京極能登守.jpg
展示写真は、パリの写真館に立ち寄った際に撮影されたものだそうです。
その中には、使節団に通訳として同行していた福沢諭吉の写真もありますよ。
ぜひ展示室で探してみてくださいね。

そして井関盛艮は、明治初期の日本で外交実務を担っていた人物です。
(画像後列中央)
井関.JPG
こちらのコレクションには、その職務上で得たと思われる、明治政府の官僚や、外国公使の肖像写真が登場します。

こちらは町田久成まちだひさなりの肖像写真。
明治新政府に務めた官僚であり、日本の博物館発展のために大きな役割を果たした人物でもあります。
町田久成.jpg
2つのコレクションの肖像写真の多くが、縦8.3センチメートル、横6センチメートルの、手のひらに収まってしまうくらいのサイズで、『名刺判写真』と呼ばれています。
中には、名刺の代わりに交換したと思われる肖像写真も!

自らの写真を渡し合うなんて、少し変わったやりとりにも思えますが...自分の顔を覚えてもらうには、良い方法かもしれませんね。

写真には、そこに写された事物のみならず、その用途にも、かつての文化が色濃く残っています。
彼らの姿や、撮影された背景を通して、その時代や風習の移ろいに思いを馳せるのも楽しいですよ。

日墺修好150周年記念「日本・オーストリア国交のはじまり -写真家が見た明治初期日本の姿-」は、12月15日(日)まで開催中です。
皆様のご来館、お待ちしております。