弥陀種子板碑
- 所在地
- 虎ノ門3‐13‐6
- 所有者
- 宗教法人天徳寺
- 概要
- 1基 歴史資料 昭和61.10.20指定
- 法量
- 高さ68cm 幅29cm
緑泥片岩(秩父青石)の一尊種子板碑です。板碑は、鎌倉時代から室町時代にかけて盛んに作られた、死者供養のための石の卒塔婆〈そとば/そとうば〉です。板状の石の上部に仏・菩薩を表わす梵字を、下部には仏・菩薩の像や供養する人の氏名などを刻みます。関東では主に秩父産の緑泥片岩を用いたので、青石塔婆ともいいます。また、種子〈しゅじ〉とは密教で仏・菩薩などの諸尊を標示する梵字のことをいいます。
この板碑は頭部を山形に作り、その下に二段の切り込みを入れています。身部は上下とも同じ幅です。身部上半には、蓮華座上に梵字「キリーク(阿弥陀仏)」を異字体で表わし、下半には「永仁六年(1298)七月 日」の銘を刻んでいます。その梵字が分断直截の薬研彫でやや浅く、年の字が草体で記されており、時代の特徴をよく示したものです。