増上寺のカヤ
- 所在地
- 芝公園4‐7‐35
- 所有者
- 宗教法人増上寺
- 概要
- 天然記念物 昭和55.11.15指定
増上寺南東端の慈雲閣の裏手にカヤの巨木があります。目通り(地上1.5mの高さ)の直径約1.3m、周囲約4m、樹高約25mの独立樹で、推定樹齢600年を超える雄株です。増上寺建立時の記録をはじめ、現在まで記載された文書はありません。このことはこの木が他から移植されたものではなく、古くからこの地に自生していたことを示すと考えられます。現在も生育状態は良好で、区内における野生の自然木として貴重であるばかりではなく、都内はもちろん、巨樹としても全国的に有数なものです。
本来カヤは暖帯の植物で、関東地方を北限とし、それ以西に自生する針葉樹で、珍しい樹木ではありません。分布の南限は屋久島で、伐採の斧が入らない地域では幹径1m前後のものが存在しますが、全体的には80cm以下のものが圧倒的に多い樹木です。したがって増上寺のカヤの木は最大のもののうちの1本に数えられます。
分布の北限に近い東京、港区内にこの大きさで残存していることは、港区の文化財(天然記念物)としての価値を十分備えています。