尾崎紅葉生誕の地
- 所在地
- 芝大門2‐7
- 概要
- 旧跡 昭和57.10.30指定
小説『金色夜叉』などの作者として有名な作家、尾崎紅葉(本名徳太郎)は、慶応3年(1867)12月16日(戸籍27日)、芝中門前2丁目25番地(現在港区芝大門2丁目7番4号)にあった首尾稲荷社のそばの家で、伊勢屋こと牙彫り師の尾崎谷斎〈こくさい〉(惣蔵〈そうぞう〉)の長男として生まれました。満4歳のとき母を失い、芝神明町8番地(現在港区浜松町1丁目18番14号)の母の実家荒木家に養われます。以後、新宿区へ転居するまで、約19年間を区内芝地域で暮らし、墓所も港区の青山霊園にあります。
「紅葉」の筆名は増上寺境内の紅葉山からとった名前です。すでに14歳の時、「縁山」という三縁山増上寺にちなんだ号も使用しており、この地域に強い愛着をもっていたことがうかがわれます。さらに、『芝肴』という小説集や、『男心は増上寺』と題する短編があり、その他作品中の随所に幼少期から慣れ親しんだ地域が登場します。その前半生を芝界隈で生活したことは、紅葉の創作活動に不可欠の要素だったと言えるでしょう。