弘化年間『屋鋪五方相対替一件』記録
- 所在地
- 白金台4-6-2
- 所有者
- 港区教育委員会
- 概要
- 2冊 古記録 平成10.10.8指定
- 法量
- (内掛合中其外留控) 縦23.5cm 横17.0cm 総丁数41丁(屋鋪五方相対替一件控)縦23.5cm 横17.0cm 総丁数26丁(他に挿入分2丁・図1枚)
相対替〈あいたいがえ〉は、大名や旗本・御家人がお互いの合意により屋敷地を交換することで、江戸では大名や旗本・御家人たちの間で拝領屋敷地の交換がしばしば行われました。交換には幕府の許可を要したため、必要な事項を記した書類を提出して願い出ることになっていました。
本史料は、麻布狸穴に居住していた幕臣大谷木藤左衛門が、屋敷地の相対替を行った際の交渉から許可を得て引越しに至るまでの過程を記録したもので、『内掛合中其外留控』と『屋鋪五方相対替一件控』の2冊から構成されています。
大谷木家を中心とした五方相対替は、幕府の記録にもあり実際に行われた相対替であることが確認できます。相対替は二~三家の間で行われることがほとんどでしたが、本例のように五家の間で交わされた相対替の例は少なく、またそれが当事者の記録として残されていることは極めて稀な例と思われ、複雑な相対替の事務を詳細に理解できる史料として貴重なものです。