官軍兵士軍服 付 外套・シャツ
慶応4年(1868)5月15日の彰義隊と官軍による上野戦争の際に、官軍兵士であった鳥取藩の藩兵・横山安則が着用していた軍服です。軍服には、彰義隊攻撃中に受けた傷の説明を記した布片が7か所に縫い付けられており、銃弾を受けて貫通した痕や、敵と間違われて味方に銃剣で突かれた痕など、敵味方入り乱れての戦闘の様子が生々しく伝わります。
『贈従一位 池田慶徳公御傳記 一』には、横山安則の傷について次のように記されています。
「十五日上野攻撃之節この傷は軍服につけられた説明文にほぼ一致します。
死 云々
傷 云々
池田攝津守家来
弾創深手 剣創浅手三ヶ所
横山駒之丞(=安則)」
当時の官軍兵士の服装を理解することが可能なだけでなく、上野戦争の壮絶な先頭の記録としても貴重な資料です。