浄瑠璃人形かしら及び衣装
幕末から近代にかけての江戸・東京の人形芝居に使われた人形の頭〈かしら〉と衣装で、人形芝居の展開を知る上で、また制作年等の墨銘が記されているものが含まれることも貴重です。
この資料は、江戸人形遣いの名門西川伊三郎(五代)の弟子で、その芸系を受け継いだ吉田冠十郎旧蔵のもので、頭71点、衣装40点、その他29点からなります。
旧蔵品の頭には冠十郎自作・修理の頭、「明治二三年新七」「安政七年半三郎」の墨銘のある頭、衣装には「安政二年西川伊三郎」の墨銘のある肩板、同じく「西川伊三郎」の墨銘のある胴があります。さらに、本来三人で遣う頭を一人遣いに変形した跡なども見受けられます。墨銘のある頭は、歴史資料としてみた場合にも重要です。また、「西川伊三郎」の銘のある資料は、当資料以外に確認されていません。