木造僧形坐像
- 所在地
- 芝公園4‐7‐35
- 所有者
- 宗教法人増上寺
- 概要
- 1躯 彫刻 平成20.9.9指定
- 法量
- 像高45.4cm 頂‐顎16.3cm 面奥13.4cm 面幅9.6cm 胸厚15.7cm 腹厚19.1cm 臀張35.4cm 膝張41.2cm
- 公開状況
- 非公開
本像は増上寺三解脱門(三門)の階上に釈迦三尊像などとともに安置されている木造彩色の僧形像です。法衣〈ほうえ〉に環袈裟〈わげさ〉を着け、趺坐〈ふざ〉しています。法衣と袈裟は膝前に垂下し、いわゆる懸裳〈かけも〉の形をとっています。左手は伏せて膝頭に置き、右手は現在手首より先を失っていますが、払子〈ほっす〉などをとっていたと考えられます。体幹部をヒノキの一材で造り、耳後で前後に割矧〈は〉ぎ、割首とします。頭部は背面側のみ浅く内刳りを施し、面部は別材で造り、玉眼を入れています。脚部は一材で2本の_〈ほぞ〉で体幹部へ接合し、裳懸は一材で造られ、現状は本体より分離しています。底部には底板をあて、布を貼っています。彩色は剥落のため詳細は不明です。
本像はその構造や、形式的には陥らない顔貌表現、衣文の彫りなどから室町時代(15世紀)の作と考えられます。やや垂れた目、小鼻が横に張った大きな鼻、薄めの唇、しっかりした顎といった像主の風貌の特徴をよく捉えて表現しています。僧名を確定できず、増上寺との関連も不明ですが、区内に数少ない室町時代の僧形彫刻として貴重です。