銅造地蔵菩薩坐像
左手に宝珠〈ほうじゅ〉、右手に錫杖〈しゃくじょう〉を持ち、僧衣を着けた比丘形の像高1m30cmのこの地蔵は、その全身と高さ50cmの台座に、武士や町人など945名の結縁者の名が印刻されており、区内では例のない地蔵尊です。台座正面下段に施主として「平兵衛」ほか三人の名が見え、彼らを中心として建立が行われたものと考えられます。背面には「享保四年(1719)二月二四日鋳物大工太田駿河守正義」とあります。太田正義は、深川の地蔵坊正元の発願で建てられた江戸六地蔵(都指定)を鋳造した神田鍋町の鋳物師「太田駿河守正儀」であると思われます。