氷川神社のイチョウ
- 所在地
- 赤坂6‐10‐12
- 所有者
- 宗教法人氷川神社
- 概要
- 天然記念物 平成6.9.27指定
赤坂氷川神社のイチョウは、推定樹齢400年で、地上1.5m(目通り)の高さの周囲は約7m50cm、現在の氷川神社が遷座する前からこの地に成育していたものと見られ、幸いに戦災を免れたので、初めからの姿で育っています。
港区内に現存するイチョウでは、善福寺の「逆さイチョウ」(国指定天然記念物)に次いで2番目の大きさ、樹齢を保っている貴重なものです。
イチョウは中国原産の落葉高木で渡来は古く、日本では主に寺社の境内などに植えられ、老成したものも多く、公園や街路樹としてもよく用いられています。果実は食用となるため各地で栽培もされ、ギンナンと呼ばれていることは周知のとおりです。
雌雄異株で5月に開花し、受粉し、9月に受精が行われ、10月に種子が完熟します。受精に際し精虫を生じることが日本の学者によって発見され話題になりましたが、陰花植物のシダ類から顕花植物に移り変る途中の植物で、ソテツとともに最下等な顕花植物であることが証明され、分類上の位置が決定づけられた貴重な発見でした。
イチョウの最も古い漢名は、「鴨脚」、種子を「鴨脚子」といい、自生樹が今でも見られるという中国浙江省の発音が日本でも樹名として通っています。ほかに「銀杏」の呼び名もありますが、これは果が銀白色を呈するためで、熟すと黄色になるが銀白粉は帯びたままで落ちないための名です。また、「公孫樹」という書き方もありますが、この名は比較的新しい漢名です。
火災に強く、各地で巨樹、大木になっているものの多くが、戦災その他の火災に遭ってからも復活して元気に育っていることがわかる株が多く見られます。