絹本着色観智国師肖像
- 所在地
- 芝公園1-3-16
- 所有者
- 宗教法人天光院
- 概要
- 1幅 絵画 平成25.10.23指定
- 法量
- 縦155.0cm 横147.1・
- 公開状況
- 非公開
- 写真タイトル
- 観智国師肖像
近世期の浄土宗の発展に尽力した観智国師の生前の姿を描いた寿像です。絹本着色、縦109.0cm、横51.5cmの絵画資料で、曲_と呼ばれる椅子の上に脚を組んで座禅するように座す形式は、禅宗の高僧の肖像である頂相に倣うものです。図中には元和4年(1618)10月18日の年紀を伴う、天光院二世の念譽春貞上人に与える旨の像主による、自賛が着けられています。
観智国師(慈昌、源譽存応1541から1544~1620)は、天正12年(1584)に増上寺12世となり、同寺を京都の知恩院と並ぶ浄土宗の大寺に発展させた人物です。徳川家康の帰依を得て、慶長15年(1610)には、家康の推薦で、後陽成天皇より国師号「普光観智国師」が下賜されています。また、元和2年(1616)に、増上寺で執り行われた家康の葬儀では導師を務めました。
その容貌、袈裟衣や曲_に掛けられた法被の質感などの表現から絵師の技術の確かさがうかがわれ、落ち着いた色調や精緻な截金文様など、図の細部まで丁寧に描かれている点が特長です。賛の内容は、「普光観智国師」の国師号を下賜された際の勅書とほぼ同文です。
なお、増上寺に新たな住職が着任する「晋山」の儀式に先立って行われる伝衣式の際には、この軸を掛ける慣わしになっています。