木造二天立像
- 所在地
- 芝公園3-3
- 所有者
- 個人
- 概要
- 2躯 彫刻 令和元年9月27日指定
有章院(七代将軍徳川家継)霊廟の惣門である二天門(国重要文化財)に安置される二天像です。体内には享保元(1716)年、幕府や禁裏の御用をつとめた京都七条仏師の二十八世法橋康傳が弟子とともに造像した旨が墨書されます。また七条仏師の事績を記した「本朝大佛師正統系図并末流」からも、本像が霊廟建立に際し二天門に安置されたものであることがわかります。寄木造で彩色が施され、玉眼が嵌入されています。忿怒の相を表し、手に筆と巻子を持つ広目天と、体内銘に多聞天と記され右手を腰に当て左手に戟を執る姿の二天像で、二邪鬼の上にすっくりと立っています。像高は各々219.0㎝と212.1㎝です。着甲の様子や彩色も丁寧で、いずれも七条仏師の伝統的で堅実な作風を示しています。作者・制作年・制作背景ともに明らかで、京仏師の徳川幕府にかかわる造像活動を示す上でも基準的な作例と考えられ、指定にふさわしい彫刻です。