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港区文化財総合目録

増上寺所蔵浄土三部経(紺紙金字)

所在地
芝公園4-7-35
所有者
宗教法人増上寺
概要
4点 書跡 令和3年9月28日指定

増上寺は、江戸時代、将軍・徳川家の菩提寺であり、浄土宗総本山の知恩院に並ぶ大寺として、関東の浄土宗寺院を配下に置いていました。そのため、浄土宗の一寺院としての性格だけでなく、徳川家との関係など増上寺の歴史もうかがえる、多岐に渡る経典・経巻が伝来しています。

そのなかでも本資料は、二代将軍・徳川秀忠と江の長女である千姫が施主となり、千姫の孫の奈阿姫が書写し、寛文5(1665)年に台徳院(秀忠)廟所へ納めた紺紙金字の浄土三部経です。経巻は、無量寿経上下2巻、観無量寿経1巻、阿弥陀経1巻の計4巻です。いずれも冒頭の2紙ないし3紙を欠いており、4巻すべてに知恩院宮尊光法親王が認めた同様の奥書があります。紺紙金字は平安時代後期に盛んに用いられた手法で、料紙の紺紙は瑠璃の仏殿を、金字は黄金の仏を表し、経自体を厳かに飾り整えています。

本資料は秀忠の菩提を弔うために秀忠の娘とその孫娘が納めた経巻であり、菩提寺である増上寺と徳川家の子女たちとの関係を示す歴史資料としても貴重で、指定にふさわしい資料です。

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